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診療圏分析で調べることの基本7つ

更新日:

診療圏分析とはクリニックなどの店舗型のビジネスにおいて、もっとも重要かつ出店前に終らせておくことです。言うまでもありませんが、出店地や開業地を間違えてしまうと他のマーケティング手法で挽回するのは極めて難しくなります。

診療圏分析

診療圏分析

診療圏分析はなぜ必要なのか?

医院は一度出店・開業すると、長期間にわたって周囲の限られたエリア=診療圏の患者さんを対象にサービスを展開することになります。出店・開業後は、商品・サービスや接遇のレベルを向上させることはできますが、診療圏を自ら変えることは容易ではありません。その為、できるだけ条件の良い場所を探すことになります。

 

何を調べればよいかというと、診療圏人口、交通状況、競合、車の導線等、多岐にわたりますが、診療圏人口が多くても、道路や河川、鉄道等によって分断されていたり、人や車の流れが悪くて店舗へアクセスしにくかったりすると、診療圏のポテンシャルを十分発揮させることが難しかったりします。競合店舗の存在や、路面店か空中階か、店舗物件の視認性、駐車場台数や入り易さも大きく影響します。

 

既存店舗を改装する場合は、診療圏の状況の変化を考えて、あらためて分析を行うべきでしょう。診療圏の変化を改装方針に活かします。

 

診療圏分析の手順

診療圏分析は広いエリアから狭いエリアへと進めて、最終的に物件に落とし込みます。

 

様々な診療圏分析ツールがありますが、下記の無料のツール十分な機能がありますので、参考にしてください。マニュアルもあります。こちらで慣れてから有料のものに切り替えるか、これでカバーできない情報のみ有料で探すとよいでしょう。

 

e-Stat 政府統計の総合窓口

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do?method=init

 

診療圏分析無料ツールjSTAT MAP

https://jstatmap.e-stat.go.jp/gis/nstac/

 

基本1 出店候補地の絞り込み

まず、来てもらいたいお客様、クリニックであれば来院してほしい患者さん住んでいると思われる場所を探します。

その人のペルソナに従って、その人が好みそうな内装や街の雰囲気、住みたい街ランキングなどの評判等を考慮して大体のエリアを選択します。

(ペルソナについて詳しくはこちら「をご覧ください ペルソナ分析のやり方12のステップ

 

診療圏のカタチは半径1キロメートルなどとキレイな円形になることはありません。診療圏内の道路や、線路、河川等の状況から、実際には円形ではなく、複雑ないびつな形状をしています。

 

行き来しやすい道路が南北に通っていれば診療圏も南北に広くなり、線路や河川があればそこで行き来が止まり易くなります。踏み切りや橋があっても道路の迂回が必要だったり、踏み切りなら時間がかかったり渡りにくかったり、というように越える為の障害がいくつもあるものです。

 

また、人通りは高低差のあるエリアなら低い方へ流れやすい、駅があれば駅方面へ流れやすい、といった特徴もあります。一概にはいえませんが、個々の環境に合わせて見ると、診療圏は単純な「円形」はあり得ないのです。

 

また、エリアの将来性も考慮すべき項目です。交通状況やショッピングモールなどの開発計画、その他の人口の増減要因などを考慮しましょう。

これから発展するエリアの場合は、計画が遅れてもビジネスが成立するかどうかが重要ですし、衰退するエリアの場合は(あまり選ばないと思いますが・・・)人口がどこまで減ったら、成り立たないなどの調査をして可能性を見極め、懸念を検討します。

 

実際は物件が出て来てから調査するケースが多いと思われます。その場合でも理想とする診療圏を基準として持っておくのは有効です。複数のデータを比較しながら検討していきましょう。

 

候補地が絞られてきたら、細かい部分のデータを見ていきます。

 

基本2 人口を見る

年齢別人口、世帯数、昼夜間人口などを調査します。

ターゲット(ペルソナで設定したお客様や患者さん)がどれくらい住んでいるのか、単身なのか家族と同居なのかなどを考察します。

居住エリアなのか商業エリアなのかによっては昼夜間人口に差が出てきすので、ターゲットの方がそのエリアでどのような生活をするのかを想像したうえで、ターゲットの方がより多く住んでいる、または働いているかどうか見ていきます。

 

基本3 世帯別収入を見る

設定したペルソナの収入の裏付けとして見るデータになります。

例えば歯科医院の場合は歯の健康に使うお金は収入の多寡に比例するというデータがあります。ターゲットとなる人に該当するのか注意が必要です。

 

基本4 持ち家比率を見る

この指標は、重要な指標となります。例えば、新興住宅地であれば、ローンを抱えた世帯が多いことが予想されますので、世帯別収入に比べて可処分所得が低くなる可能性を考えなければなりません。

クリニックの場合は訪問医療の将来的なポテンシャルも予想できます。

 

基本5 人口・世帯数の増減を見る

人口の増減と家族構成を予想するための世帯数はエリアの将来性を表しています。ペルソナで設定したターゲットの方が増えていくのかどうか、事業戦略とも照らし合わせてみていく必要があります。

 

基本6 どのような業種が多いのか見る

例えばクリニックであれば、他の科目のクリニックの有無や総合病院からの距離など連携や相乗効果が来た出来るかなどを調べていきます。

 

基本7 競合があるか調べる

エリアに同業者がどれだけあるか調べます。その中で競合と思われる店舗をピックアップします。全体の2割が強い競合となるケースが多いので、ここに対しての自社の優位性をしっかりと検討します。

そのうえで市場規模を調べて、シェア何%を目標とするのか決定していきます。市場規模は下記の式で計算できます。

 

市場規模=診療圏内世帯数 x 1世帯当たりの消費金額

 

診療圏世帯数

このデータを調べるには、独立行政法人統計センターが運用している政府統計データのポータルサイト「e-Stat 政府統計の総合窓口」から「GIS機能(jSTAT MAP)」を使います。無料で取得できます。

1世帯当たり消費金額

政府が実施している家計調査年報という調査データから得られる数値を使います。

このデータも、独立行政法人統計センターが運用している「e-Stat 政府統計の総合窓口」から得ることができます。

 

この数値が売り上げの根拠となります。事業計画に落とし込みましょう。

 

まとめ

無料のツールを使うだけでも、ずいぶんと参考になるデータを取得することが出来ます。マーケティングや広告のことを考える前にしっかりとした診療圏調査をすることで、すべきことや優先順位が見てきます。この辺は業者やコンサルタントに任せずにご自分で調査することをおすすめします。

 

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